菊水楼
いわずとしれた奈良最高級の老舗料亭。春日大社一の鳥居の前に位置し、荒池を望む絶好のロケーション。格式が高く、純和風の建物はもちろん調度品も美術品と呼べるものばかり。料理は味の濃いものあっさりしたもの、熱いもの冷たいものなど計算された組立が見事。保守的かと思えば、新しい食材を使うなど独創性も。奈良に住んでいたら一度はとにかく行っておきたい。洋食菊水、宿泊は営業を終えられたが、料亭、和食ダイニング、うな菊、菊水弁当(近鉄百貨店・奈良店)でこの味がいただける。
今回は披露宴でいただいたものを紹介。会を開くにあたって料理長との打ち合わせや試食を何度も行い、納得のいく形で進めることができた。

蘇 厚焼玉子 子持こぶ 青菜味噌和え 合鴨醤油煮 松葉。鶴が羽ばたく食器に亀をかたどった人参とめでたい盛り付け。

玉子豆腐 紅白祝重ね。すっきりときれいな出汁に月見豆腐。ハートにかたどった人参と大根の間に金箔を挟む。

鯛鮪 祝大根巻けん。けんは菊水楼特製、一本に巻かれていて、長く幸が続きますようにという願いが込められている。

スズキの柚庵焼 甘酢茗荷 レモン。秋から冬にかけて脂の乗ったスズキは縁起がいい出世魚る。ほのかに柚子の香り。

帆立貝五色あられ揚げ 蓮根素揚げちり酢。パリっとした食感の衣は彩りもきれい。帆立、蓮根。みぞれ餡で。

鰻土鍋まぶし。菊水楼名物の鰻を大きな土鍋でたっぷりと。何杯でもお替りできるようにという心遣いがうれしい。

春まな素麺、冷たいそうめんを粗く摺ったとろろで。鰻土鍋まぶし、2杯目は出汁茶漬けで。奈良漬け 柚子大根。

南瓜プリン、ウエディングケーキを切り分けて。生クリームといちごで作ったサンタさん。コーヒーまたは紅茶。
住所 | 奈良市高畑町1130 | ||
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地図 | |||
電話番号 | 0742-23-2001 | ||
営業時間 | 11:00~15:00 17:00~20:30 | ||
定休日 | 火・水曜日 | ||
駐車場 | 有 | ||
ホームページ | HP instagram |
【テイクアウトのお弁当】
近鉄百貨店奈良店地下1階、期間限定ショップで販売するお弁当。本来なら予約が必須だが、ここなら気軽に購入できる。
御飯 筍御飯 奈良県産ひのひかり使用
煮物 季節野菜の焚き合わせ うす揚げけんちん
口取 出汁巻 長芋サーモン巻き 分葱と焼き揚げのぬた和え
トマトのレモン煮 鮪の南蛮漬け
浅利と菜の花の旨塩にんにく ブロッコリーのナムル
吉野本葛胡麻豆腐 花びら百合根
強肴 鶏の照り焼き 鰆の幽庵焼き かき揚げ パプリカ
甘味 季節の羊羹

肉も魚も野菜も。旬の食材を活かしたお惣菜を季節の御飯と共にしっかりと楽しめる弁当。詳しくは上へ。

令和四年、卯月の献立。
格式は高いが、決して敷居が高いわけではない。ランチではカレー(2000円)や籠御膳(3500円)も。スタッフのサービスの丁寧で気持ちよく食事がいただける。今回はダイニングで朱雀(7000円のコース)をいただいた。(21.12)

ホタテ粒雲丹和え。ほうれん草おひたしに稀少ゴールデンキャビアのプチプチと。

蟹真蒸(かにしんじょう)焼葱、舞茸。素材の味を引き立てるすっきりと上品な出汁。

鯛、鮪、炙りサーモンをお造りに。大根巻けん、菊花、あしらい一式。

鰤柚庵焼。白子たれ焼き、味間芋、蕪スモークサーモン巻、厚焼玉子、丸十蜜煮。

トマトに山葵だしを加えスープ仕立てに。ズッキーニ、長芋をダイス状にカット。

鯛茶漬け。胡麻ダレ風味。熱々の和出汁をたっぷりとかけて。香の物付き。

季節の羊羹。柿といちじく、マスカットをドライフルーツにしたものが入る。

米の旨みを生かした柔らかな味。燗でも冷でもいけるが今回は冷で。
【店舗外観・店内・メニューなど】
【2015年4月にいただいたもの】

胡麻豆腐、くこの実、丸くかわいらしい大根。あっさり出汁醤油。食前酒はあられ酒。

蟹真蒸の中には甘く柔らかく煮込まれた蓮の実。透き通った蕪の下に人参、木の芽。

鯛、烏賊。大根巻けん。玉ねぎかと思ったら大根。くずしていくとけんになる。

才巻海老旨煮、一寸豆、飯蛸、薩摩芋、サーモン、結崎ネブカの酢味噌。いくらの醤油漬け。

海老のピーナッツ揚げと蟹のあられ揚げ。ししとう。少しとろみの付いたつゆで。

サラダオニオン、竹の子、粟麩、法蓮草の炊き合わせ。大和まなの利休、まい茸。

うなぎ茶漬け。出汁を張った椀に焼きおにぎり。鰻とともにくずしながらいただく。

みっくすぜりい。苺、洋梨、メロン、ブルーベリー。あっさりと上品な甘さのシロップ。

実はここ、私が結婚したときの親戚の顔合わせで使った場所でもある。そう考えたらここは10年に一回なのかもしれない。(05.4)
左上から先附(吉野葛入胡麻豆腐・あられ酒)/椀盛(松葉蟹真蒸・白木耳・木の芽)/造り(鯛・烏賊・鮪)口取(新緑の口取・万巻海老旨煮・スナップえんどう)/焼物(甘鯛酒塩焼・大徳寺納豆)/強肴(白魚海老揚物,ちり酢青唐)/多喜合(竹の子・アピオス・蓬ふ)/香の物三種盛/留椀(なめ茸赤出し)果物(苺ゼリー)
うな菊
老舗旅館、菊水楼内の鰻専門店。時期によって最良の国産鰻を生きた状態で仕入れ、その日に必要な分だけ捌く。写真は鰻半尾の小菊。江戸前の手法でふんわりと蒸してから炭火でじっくりと焼き上げる。サラダは鰻のビタミンB1を効率よく吸収できるようにと先に供される。吸い物、香の物付き。テーブルの山椒で、風味をプラス。皇室の宿泊のために建築された客室を改装した店内からは荒池の景色が望める。
住所 | 奈良市高畑町1130 | ||
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地図 | |||
電話番号 | 0742-23-2001 | ||
営業時間 | 11:00〜20:30 | ||
定休日 | 火曜日 | ||
駐車場 | 有 | ||
ホームページ |
【店舗外観・店内・メニューなど】
【持ち帰りメニュー】
うなぎ弁当、うなぎの蒲焼き、う巻き、出汁巻き、わらび餅 がテイクアウトできる。


うなぎの蒲焼きが一尾入った弁当。他に半身、一尾半のものもある。
洋食 菊水【閉店】
菊水楼の洋食レストラン。フレンチとイタリアン両方のいいところをとりながら、お箸を出したり、和の食材を大胆に使ったりと老舗ホテルならではの料理を出す。サービスも一流で、水辺の風景を見ながらゆったりとした時間を過ごすことができる。パーティーやブライダルにも対応する。現在はレストランとしての営業は終了され、バンケットルームとして、宴会やパーティーなどで使用される。
【2017年4月にいただいたディナーのコース】

マグロ頬肉のマリネ。まるで牛肉のような食感。アボカドソース。春野菜たっぷり。

フォアグラのソテー、バルサミコソース。皮ごと焼いたオニオンを添えて。

真鯛のガタイフソテー、春野菜ソース。極細麺を衣にパリッとした食感。

アンガス牛ローストビーフ、グリーンペッパーソース。焼き白菜添え。

赤い果実のマリネ。バニラアイスクリームにアセロラやベリーなどのフルーツをたっぷり。

イコーナ、カベルネ・ ソーヴィニョン。飲み放題では他に白ワイン、焼酎など。
【店舗外観・店内・メニューなど】
【2017年4月にいただいたディナーのコース】

柔らかい鶏肉の冷菜。パルメザンチーズとバルサミコ。彩りの野菜。

濃厚なカニの風味が口いっぱいに広がる。濃いトマトソースで。

旬の桜鯛を紙包み焼きに。開けた瞬間の香りが楽しい。アサリ、野菜。

薄くカットされた牛肉にトマトとチーズのソース。オリーブ、ポテトを添えて。

ふわふわのフロマージュ、ブルーベリーの酸味。
【2016年4月にいただいたディナーのコース】

ホタテ貝柱のソテー、スナップエンドウと新玉ねぎのムース。紫蘇の穂添え。

桜鯛のカルパッチョ。キャビア。

フォアグラのソテー、マデラソース。インカのめざめを付け合せに、

鰆のポワレ。九条ネギと新牛蒡のフライ。

国産牛フィレ肉ソテー 新生姜のソース。マッシュポテト添え。

クレームダンジュ苺、ラズベリーなどのソースで。
【2016年4月にいただいたディナーのコース】

バーニャカウダ、生ハム苺、海老キャビアウニ添え、スモークサーモン。ミートローフ。

コーンポタージュスープ。トリュフの香り。

国産牛フィレ肉のステーキ シャンピニオンソース。付け合せにマッシュポテトとブロッコリー。

舌平目のヴィエノワーズ。コロッケのように衣をつけてさくっと揚げてある。

クレームダンジュ。チーズケーキのようにふわっとした食感。ベリーのソースで。
【2016年3月にいただいたのランチコース】

生ハムと苺。カンパチのマリネ、きざみしょうが。バーニャカウダ、アンチョビのソースで。

アマトリチャーナ。トマトベースのソースにベーコン、オニオン、たっぷりのチーズ。

ホロホロ鳥モモ肉のロースト、タイム風味。肉の味が濃い。ポテト、トマトなどの付け合せと。

ガトーショコラやラズベリータルトなど4種類から選ぶ。カスタードプディングはキャラメルソースで。
奈良ホテルを眺めるロケーション、ゆったりとしたサービス。料理は奇をてらったものではないが、実に丁寧で、安心していただくことができる。今回は3150円のコースと、2100円のハンバーグをいただいた。たまの贅沢、こういった時間の使い方もいいとつくづく思った。

大和地鶏を使ったパテ。バゲットとバターに古漬けキュウリを合わせるところが面白い。(07.5)

熱々のパンプキンスープ。カボチャの器のクルトンは好きなだけ入れていい。バゲットとロールパン。

子羊のロースト。香草を使ったソースとチャツネをのせて。マッシュポテトとほうれん草をつけ合わせに。

単品で頼んだ品。ミンチは細かで上品な味。ソースは別にも出てくる。シャンピニオンを添えて。

抹茶のムース。彩りもキレイ。この後、珈琲か紅茶が付く。ケーキなどは単品でいただくこともできる。

フォン・ド・ボーをたっぷり使ってうまみを出し、肉は直前に焼いて香ばしく、しかも柔らかい。