チョンマゲ

この記事は奈良以外グルメ図鑑です。

高知市は都会である、いや、高知市中心部はと言った方がいいだろう。高知県民に聞くと「大企業の四国支店はだいたい高松にあるし、高知が都会だと思ったことがない」と言うが、高知中心部の繁華街はアーケードも縦横に延び、奈良よりもずっとずっとにぎやかだった（ただ、路面電車の終点を超えたあたりから、にぎやかさはなくなり、あの広い高知県のほとんどが山間であると考えたら、何をもって比較するかという話になるのだが）。

ホテルは市内中心部にあり、一歩外に出れば繁華街であったから、気分もあがって、居酒屋でお腹いっぱいになったはずなのに、一人で〆の何かを食べに行きたいと考えた。最初に向かったうどんの屋台はあるはずの場所になかった。このあたりだろうと行ったり来たりしたが、見つからなかったのは休みの日は屋台そのものがないからであった。

次に目星をつけていたラーメン屋さんも見つからなかった。「お兄さん3000円でどう？」と声をかけてくる人たちがいて、「何が3000円なんだろう」と不思議に思いながら、「〇〇というラーメン屋さんを探しているんだけど」と言うと、「そこは、今日は休みで、ラーメンだったらチョンマゲがおいしいよ」と教えてくれた。親切な人である。

店の看板には大きく玉子焼きめしと書かれ、ラーメン以上におすすめという空気がビンビン伝わってくる。ならば、食わんわけにはいくまい とラーメンと玉子焼きめしを注文した（〆のはずなのに）。ラーメンが運ばれてくるまでの間、じっくりとメニューを見ていたら、最後のページにこんなことが書いてあった。「姉妹店、奈良県霊山寺 花美津姫、チョンマゲの魂はそのままに、スッポンからとった出汁で仕上げた極上の一杯をぜひ食べてチョンマゲ。」その店なら私も以前 食べたチョンマゲ。おお、こんなところで奈良と高知のつながりを見つけるとは、これも何かの縁とうれしい気持ちになったのである。

【店舗外観・店内・メニューなど】