りんご

安堵町の住宅街、地元密着のお好み屋さん。”お好み焼き” と書かれた青い暖簾をくぐり店内に入ると「いらっしゃい」と新旧の女将さんが笑顔で迎えてくれる。中央に大きなカウンター、持ち帰りの注文だろうか、10枚近いお好み焼きが、鉄板いっぱいに並べられている。メニューは一切なく、戸惑っていると「乗せて焼くのと混ぜて焼くのどっち？」と声がかかった。並んでいるお好み焼きはすべて乗せ焼き、ここは「乗せて焼く方で」と注文。

お好み焼きを焼くのは若女将の担当。「何入れる？」と聞くので、「油かす…」と答えると「てっちゃんは？」と言う。「それもお願いします…」。焼いている途中でも「ネギは？」「卵は？」と聞かれて、最終的にできあがったのが写真のお好み焼き。全体はふんわり、端はサクッとした食感。具は油かす、テッチャンの他に角切りの平天も入る。ソースは甘め。これで500円とはコスパ最高。ボリュームは少なめだったので、しっかり食べたい人はモダン焼きにした方がいいかも。

後から来た常連さんの注文を聞いていると「そば半分、イカ入れて、ネギ少なめ」とか言っていたので、自由にカスタマイズするのがこの店の注文の仕方のよう。メニューがないのも納得。帰り際、「これ持って行き」と缶のお茶をくれた。500円でお好み焼きもいただいて、お茶までもらって、「商売は大丈夫か」という考えが一瞬頭をよぎったが、鉄板いっぱいのお好み焼きと、次々訪れる常連さんを見ると、余計なお世話と思い直す。正直 初めは少し緊張したが、いつのまにか女将のペースにすっかりはまって「また来たいな」と思いながら店を出たのであった。

【店舗外観・店内・メニューなど】